Androidアプリのリリースは、push一発ではなく画像15枚から始まった

インターバルタイマーのAndroidアプリ「Rhythm × Rest」が、Google Playで公開されました。

Playの開発者アカウントを組織に変えるのに、開業届だけでは足りなかった話の最後に「公開まではまだ数手ありそう」と書きました。その数手ぶんの記録です。

作り始めたのは5月で、動くものはわりと早い段階でできていました。 そこから止まっていた理由は、アプリ側にはありません。 DUNSナンバー(取りに行った経緯)の発行待ちで、開発者アカウントを組織に切り替えられなかったからです。 申請したのが6月15日、番号が届いたのが7月28日、切り替えが終わったのが7月30日でした。

アカウントが決まらないうちは出しようがないので、ストアの素材にも手を付けていませんでした。 切り替わってから着手して、そこで初めて量が見えた形です。

題材はAIに聞いて決めた

そもそもインターバルタイマーを選んだのは、5月頃にAIに相談したからでした。

このとき聞いたのは、「バックエンドを持たず、端末だけで完結するアプリで、勝ち筋のありそうな題材は何か」です。 その枠で出てきた候補のひとつがインターバルタイマーで、そのまま採用しました。

サーバーを持たない、という条件の切り方自体は今の方針と同じなんですが、聞き方と回答の扱い方が雑でした。 「勝ち筋」を一言で投げて、返ってきたものをそのまま受け取っている。 競合がどれくらいあるのかも調べていませんでしたし、AIの言うことをまだ疑わない純粋さを持っていた時期ですね。

ともあれ題材は決まって、動くものはできました。 これまでリリースしてきたツールでは要らなかった作業が出てきたのは、そこから先です。

まず、画像が15枚

普段作っているWebアプリだと、公開の工程がほぼありません。 ビルドして git push すれば数分で反映されて、直したくなったらまた push する。それで終わりです。

Playはそこが違いました。 ストア掲載情報に必要だったのは、この3種類です。

  • アプリのアイコン(512×512)
  • フィーチャーグラフィック(1024×500)
  • スマートフォンのスクリーンショット

Rhythm × Restは日本語と英語の2言語で出したので、掲載情報も2言語ぶんあります。 アイコンは共通で1枚、フィーチャーグラフィックは文言が入るので言語別に2枚、スクリーンショットは6枚×2言語で12枚。 合計15ファイルでした。

スクリーンショットは、並べた順がそのまま表示順になります。 1枚目が一覧のサムネイルに使われるので、機能の羅列ではなく「最初の1枚で何のアプリか分かるか」で並べ直しました。

タブレット用のスクリーンショットは空欄のままです。 「タブレット向けに最適化されていない」旨の注意は出ますが、公開はできます。 タブレット面での露出が落ちるだけと割り切りました。

画像はコードで描いた

デザインツールは使っていません。 実機の画面を自分で撮って、そこから先はClaudeに描画コードを書かせて生成しています。

  • アイコン: アプリ内のベクター定義(座標と色コード)をそのまま使って、同じ図形を再描画
  • フィーチャーグラフィック: 背景のグラデーション、シンボルの配置、フォント、載せる文言まで生成
  • スクリーンショット: 実機のスクショを素材に、トリミング・背景・レイアウトと、重ねるキャッチコピーの文章を生成

つまり、6枚のスクリーンショットに載っている「音声とバイブでお知らせします」といった短文は、自分で考えたものではありません。 実機のスクショを撮ったところだけが自分の作業で、あとは指示と採否の判断をしていた形になります。

「AIで作りましたか」を聞かれる

素材をアップしていくと、掲載情報の途中に「AI生成アセットの申告」という画面が出てきました。 ストアに出す画像やテキストをAIで作成・編集した場合、そのラベルを付けるかどうかの自己申告です。

Google側の定義は「AIによって生成または編集されたコンテンツやアセット(画像・テキスト・動画など)」とだけあって、具体例やボーダーラインの説明はありませんでした。

なんだかんだ全部おんぶにだっこで準備してもらったので、アイコン・フィーチャーグラフィック・スクリーンショットのすべてにラベルを付けました。

画像のあとに、申告フォームが並んでいる

素材が終わっても、まだ提出できません。

  • ストア掲載文(アプリ名30字・短い説明80字・詳しい説明4000字)を、2言語ぶん
  • リリースノート(2言語)
  • データセーフティ(どのデータを集めて何に使うか)
  • コンテンツレーティングの質問票
  • ターゲット年齢層
  • 広告の有無
  • アプリのアクセス権限
  • 健康関連の機能の申告
  • フォアグラウンドサービスの用途宣言(デモ動画をYouTubeに限定公開でアップしてURLを登録)
  • カテゴリとタグ

掲載文とかもAIに書かせて、細部を直しながら準備しました。 自分で全部調べてたら、途中で投げ出していたかもしれない…

かかったのは半日、待ったのは3日

素材と文章の準備を合わせて、体感で半日ぶんくらいでした。

数字だけ見ると短いのですが、比較対象がWebアプリの git push なので、そこにこの半日が丸ごと乗ってくる、という話になります。 というか、Webアプリならボリューム次第で、半日あれば開発からリリースまでできちゃうレベル。 しかも押したあとに審査があります。提出が8月2日、公開されていたのに気づいたのが8月5日でした。 もっとかかるかと思ったけど、意外と早かったですね。

題材の選び方は雑でしたが、それでも入口としては十分でした。 AIを使った開発の入口としても、リリースまでの作業を体験する入口としても、得たものは大きかったと思います。